冬の華[1978] [映画感想]

暴力団・東竜会幹部の加納秀次(高倉健)は、組を関西連合に吸収させようと画策していた兄弟分の松岡幸太郎(池部良)を始末せざるを得なかった。加納は、幼い娘の前で松岡を刺殺。北海道の旭川刑務所で懲役に服し15年後、出所した。
地元横浜に帰った加納は、舎弟の南幸吉(田中邦衛)が用意した山手の高級マンションに案内される。東竜会に挨拶へ出向いた加納は幹部たちから温かく歓迎されるが、一方で、にわか成金のような彼らの生活に困惑する。加納にシャガールの絵画の良さを説く親分の坂田良吉(藤田進)はヤクザ稼業に疲れて絵画の収集と制作に夢中になっており、幹部たちは高級外車を乗り回してナイトクラブで豪遊。加納に尽くしてくれる南も自動車販売会社を経営し、普段は組と距離を置いていた。加納が世間から隔絶されている間に、彼らから「渡世人」の面影は消えていた。
一方、加納は15年前に殺した松岡の一人娘である洋子(池上季実子)に獄中から援助を行っていた。自らを、「ブラジルにいるオジさま」と名乗り文通をしていたが、いまや洋子は全寮制の女子校で学ぶ17歳の高校生になっていた。出所後、加納は書中に出てきた馬車道の喫茶店「コンチェルト」でチャイコフスキーの『ピアノ・コンチェルト』を聴き、時折来店している洋子を遠巻きに見守るのだった。
実兄・一郎(大滝秀治)の忠告もあり、加納はヤクザの世界から足を洗い、獄中で身につけた木工技術を生業として人生をやり直すつもりだった。坂田組長の承諾も得ていたが、その矢先、坂田が関西連合の罠にはまり殺されてしまう。
坂田の息子で陸上自衛隊幹部自衛官の坂田道郎(北大路欣也)は復讐心を燃やす。しかし、生前坂田は息子が堅気の自衛官であることを理由に、加納に足を洗う条件として「俺がポックリ行った後起こるであろうゴタゴタに、息子を巻き込ませるな」と遺言していたが・・・。
健さんの魅力爆発のプロモーションビデオのような雰囲気は、BGMのせいやろか。クロードチアリのギターが、全編を彩っているせいで、殺伐としたシーンも落ち着いて見られる。
ラストシーン前夜の主要メンバーの描写など、倉本聰脚本のせいか、なんやオシャレな感じやん。
うーん、健さんの顔は、いつまででも見ていられるわ。
大抵の女は、健さんの表情だけをオカズに、ご飯何杯でもお代わりできるんちゃう?
北野武監督の『アウトレイジ・シリーズ』は、少なからずこの作品に影響を受けているのではないやろか? いやむしろ、この作品のパロディと言っても過言ではないのかもしれないと感じた。
★★★★★
コメント 0