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ペンタゴン・ペーパーズ[2017] [映画感想]

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時は1971年、泥沼化するベトナム戦争の最中。アメリカ国民の間に戦争に対する疑問や反戦の気運が高まっていたリチャード・ニクソン大統領政権下において、その戦況についての調査文書が調査員の一人ダニエル・エルズバーグ(マシュー・リス)によりシンクタンクのランド研究所から密かに持ち出された。

やがて、そのコピーを入手したニューヨークタイムズの敏腕記者ニール・シーハン(ジャスティン・スウェイン)により、戦況について歴代大統領が口をそろえて嘘をついていたことを裏付ける内容の記事が掲載された。政府はタイムズ社に対し記事の差し止めを要求する。


かねてよりシーハンの動きに不穏なものを感じ取って部下に様子を探らせていたライバル紙ワシントンポストの編集主幹ベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)は、部下のベン・バグディキアン(ボブ・オデンカーク)らの協力によりいち早く文書の所在を突き止め、それを入手する。
一方、地方紙から全国紙へ脱却するため、念願の株式公開を果たしたばかりのワシントンポストの社主キャサリン(メリル・ストリープ)は、「非常事態には銀行は融資をストップできる」という契約条項が気になっていた。
政権を揺るがすこの事件を、明日の朝刊で報道すべきか、せざるべきか決断が迫られる・・・。



最終的にはニクソン政権を終焉させることになった決断を下してから45年も経ってから、キャサリンの存在はようやく日の目を見たんや。メリル・ストリープ演じるキャサリン・グラハムは、重要な瞬間に出版・報道の自由および合衆国憲法のために正しい行いをする女性となった。しかしその当時は、彼女の社の編集主幹ベン・ブラッドリーがその名誉を与えられたらしい。バーンスタインとウッドワードの手記を映画化した1976年の『大統領の陰謀』では、彼女の存在は歴史から抹消されていた。やはり当時アメリカも「バリバリの男社会」やったんやな。



インターネット時代の浅薄な「自由報道」気取りの発信者に見せたい作品。せやけど、興行収入的に見るとジュラシックワールドの10分の1程度であることが象徴するように、この手の作品になんらかの興味を抱くものは少ないちゅうことやねんな。世の中そんなもんや。その反面、特典映像はリスペクトのオンパレード。それはそれで、ちょっと引く。

スティーブン・スピルバーグ監督作品やからスタッフ・キャストも最高級。ラストシーンでは、改めて「大統領の陰謀」を観たくなるわ。



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